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2020.07.03

新型コロナ禍でスポーツに向き合う学生たちに 運動部の部長・監督がメッセージ

新型コロナウイルスの影響による外出自粛で学校・大学でも部活動が休みになり、スポーツの大会や試合も中止が続いています。練習や競技の場を失い、やり切れない想いを抱えている人も多いに違いありません。スポーツ健康科学部では、このような状況に直面する学生たちに向けて、運動部の監督たちがメッセージを発信しています。   〔※7月3日更新〕

陸上競技部  山崎 一彦 監督

本気で勝負をしてきた人へ

ある日、オリンピックが延期になって、スポーツ競技会が一切なくなった。
沿道で、競技場で、みんなに「頑張れ!」と言われ、「あなたの走りに感動した」と言われていたのが一転して、外で走っていると罵声を浴びるのはどんな気持ちだろう。
エビデンスのない大人の価値観に当てはめられたらどんなことを思うのだろう。
「ポジティブに」なんて言うが、この状況でポジティブに捉えることなんてできるのだろうか。
コミュニケーションが大事だと言われるが、本当のコミュニケーションとは、見えないところのコミュニケーションが大事だとCOVID-19の感染拡大から痛感する。相手が見えないから、わからないと言ってぞんざいな電話対応をする人。自分も被害者だと思って、相手を加害者に育てようとする人など。こんな人たちが多いから、憎悪が増えていき状況を悪くしていく様な気がする。
そんな大人にならない様に、そして、ウイルスが消滅するか、ウイルスが変容して私たちが許容するまで、とにかく心と体を健康に保とう。
まずはあなたが、よく笑い、よく寝て、よく食べて、免疫力を上げるという自分との対話、チームのことを想っての自主トレ、友人を思っての感染予防をしていこう。
今、私がやることとしては、腕立てリレーをするのではなく、本学の学生や日本の陸上競技者がスポーツ活動を再開できる様に段階的整備をしていくのが仕事だと思っている。

まずは、自分ができる、みんなとの一歩へ。

2020年5月13日
陸上競技部 監督
山崎一彦

蹴球部 堀池 巧 監督

『必笑』のために


今まで『当たり前』と思っていたことが突然目の前から消えた。仲の良い友達と笑顔で語り合う、美味しい物を食べる、大好きなスポーツを楽しむなどが奪われた日常は強いストレスを感じ、肉体的にも精神的にも疲弊した。皆さんも同じ気持ちではないだろうか。
多くの地域で非常事態宣言が解除され、ほんの少し先が見えた今だからこそ皆さんに次の言葉を贈りたい。
『水が一滴ずつしたたり落ちて、ゆっくりと水瓶を満たすように、「よい行ない」の見返りは、少し遅れてやってくる』
成功を勝ち取るには、日々の努力をコツコツ積み重ねることが大事という意味であるが、時にはそのコツコツが辛く感じることがある。努力しているのになかなか報われないと感じている人は、時々「少しぐらい」と気を抜いてしまいがちだ。自分では「ほんの少し」のつもりだったとしても、その「ほんの少し」が何日分、何ヶ月分もの努力を帳消し(無駄)にしてしまうことがある。そんな時は後悔しか残らない。
是非、収束後の自分を想像して欲しい。コツコツと努力し困難を克服した先には今までの当たり前が『特別な』当たり前に変わり、そこには自信に満ちた成長した自分がいるはずだ。
新型コロナウイルスに必ず勝ち、さくらキャンパスで皆さんと必ず笑顔で会うために最後の最後まで気を抜かず油断せず、『必笑』のために今を大切にしてほしい。

2020年5月20日
蹴球部 監督
堀池 巧

硬式野球部 水野 基樹 部長

「人生の節目となる瞬間は、自分でそれと分からない」

COVID-19(新型コロナウイルス)の感染拡大の影響から、インターハイや選抜高等学校野球大会(春の甲子園)に続き、全国高等学校野球選手権(夏の甲子園)も中止となった。全国の高校生アスリートは最後の大会に参加できず、どんなに悔しい想いをしているのか、心中察するに余りある。大学野球においても、8月に延期予定されていた全日本野球選手権が大会史上初めての中止となった。ただ、大学野球は春季リーグ戦が中止になったものの、秋季リーグ戦は各リーグ(順天堂大学は東都大学野球連盟に加盟)が開催の方向で動いている。同様に、多くの大学競技団体も7月以降の再開を目指しているようである。

みなさんにとって、COVID-19の影響は極めて甚大であろう。とりわけ、これまで一生懸命(一心不乱)に競技活動に打ち込んできた選手は、生活のリズムやパターンが一変したに違いない。しかし、これまでの競技活動を振り返ると、ともすれば日々の練習に義務的に参加しがちになることもあったのではあるまいか。人間のモチベーション(競技への意欲)を常に高いレベルで維持するのは困難を極める。今回の自粛期間は、改めて自分自身の競技生活について考える良い機会となったと同時に、競技の魅力を再発見し、さらに好きになる契機となればと願っている。野球でいえば、全体練習が再開されたら、これまで当たり前のように(ルーティンとして)仲間と一緒に行っていたキャッチボールが、こんなにも楽しく愛おしいものかと実感するであろう。忘れかけていた野球への愛情や情熱を呼び戻す機会になったと思いたい。COVID-19が完全に終息したら、グラウンドを走り回って、思う存分に大好きな野球に打ち込んでもらいたい。ほかの部活のみなさんも、グラウンドや体育館で縦横無尽に駆け回ることを願っている。

野球(MLB)を題材にしたアメリカのハリウッド映画『フィールド・オブ・ドリームス』において、主演のケビン・コスナーによる以下のセリフは象徴的である。

「人生の節目となる瞬間は、自分でそれと分からない。(At the time, you don't think about it. We don't recognize the most significant moments in our lives when they happen.)」
みなさんは気付いていないかもしれないが、今回のCOVID-19の経験によって得たものは、必ずやみなさんの人生の糧(成長へのバネ)になっているはずである。これこそがキャリア論における「一皮むける経験」である。数年後、今回のCOVID-19を振り返ったときに、「あのときの数か月間が自分の競技生活や人生において、とても有益な時間だった」と思えるはずである。まさに今がみなさんにとっての「人生の節目」であるに違いない。
元プロ野球選手のイチローは、「小さいことを積み重ねる事が、 とんでもないところへ行くただひとつの道だと思っている。苦しみを背負いながら、毎日小さなことを積み重ねて、記録を達成した。苦しいけれど、同時にドキドキ、ワクワクしながら挑戦することが、勝負の世界の醍醐味だ」と述べている。COVID-19が完全に終息するまで、あともう少しだけ頑張ろう。小さなことをコツコツと。

最後に、夢に向かって頑張っているみなさんに、私の大好きなMr.Childrenの「星になれたら」という楽曲(1992年)の歌詞を紹介したい。

「長く助走をとったほうが より遠くに飛べるって聞いた
そのうちきっと 大きな声で 笑える日が来るはず
動き出した僕の夢 深い谷越えて 虹になれたらいいな」

いまみなさんが頑張っていることは、決して無駄ではなく、将来もっと成長するための助走期間である。そう思えば、辛くて苦しい時期も乗り越えられる。助走期間にこそ、高い志や夢を持って、地道に努力を続けていれば、そのうち大きな声で笑える日が来ると信じている。

   
2020年5月31日
硬式野球部 部長
水野基樹

バスケットボール部 中嶽 誠 部長・監督

新しい日常

華麗なスリーポイントシュートや豪快なダンクシュートはバスケットボールの大きな魅力です。
しかし、シュートのおよそ半数は外れるので、試合ではリバウンドボールをいかに獲得するかが勝利の鍵を握ります。よく「リバウンドを制するものはゲームを制する」と言いますが、どこに落ちるかわからないボールをどうやって自分たちのボールにするか…。
今、我々が直面しているこの状況と同じかもしれません。

授業や練習…多くの学生が活動できない状況にあり、とても残念な気持ちでいっぱいです。
先が見えない今、多くの先輩方も社会人として、教員や指導者として、またプロ選手として、新型コロナウイルスに立ち向かっています。私たちも、どこに落ちるかわからないリバウンドボールのような状況だからこそ、先を予測し良いポジションを占めるためのアイディアを出しませんか。きっと普段とは違う視点があり、それに向き合う時間もあります。既存の概念から少し離れ、新しい観点から自分たちを強化できないでしょうか。

今こそ皆さんが「新しい日常」「新しい競技観」を構築してみてください。数カ月先、1年先には、パワーアップしていることを心から楽しみにしています!

2020年6月8日

バスケットボール部 部長・監督
中嶽 誠

バレーボール部 中田 学 監督 (写真左側)

今こそ、前を向いていこう!

スポーツ健康科学部の皆さん
運動部所属の皆さん

緊急事態宣言が明け、県をまたぐ移動も緩和されました。
とはいえ、思うようにスポーツをすることができない、存分に体を動かすことすらできない、競技によっては、いつ次の大会があるのかすら分からない状況から、まだまだストレスや不安、モチベーションの低下を抱えている学生は多いと思います。

しかし皆さん。苦しい時こそ胸を張って前を向きましょう!
何をしたら良いか分からない…
大会があるかも分からない状態でやる気がでない…
理由を付ければ様々な言い訳が出来てしまいますが、「今できること」「今だからできること」をもう一度考えて実行してみよう。

成長するうえで大切なことは、眼に見える成果や結果だけでなく、そのプロセスの中で、苦しんだり悩んだり、笑ったり泣いたり、たくさん心を動かすことだと思います。
皆さんもぜひ、そのプロセスを大事にしてください!

先週プロ野球が開幕し、Jリーグも来月に開幕、高校野球も甲子園交流試合を8月に開催するなど、スポーツ界にも様々な復活の動きが出てきています。
明るいスポーツ界がすぐそこに待っていることを信じて、共に頑張りましょう!

またさくらキャンパスで、みんなで笑顔で、授業や部活動ができる日を楽しみにしています。

2020年6月23日
バレーボール部 監督
中田 学

水泳部 武田 剛 監督

新しいスポーツを私たちが実践しよう

スポーツ健康科学部の皆さんへ

新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的な感染拡大によって、世界は一変しました。
人間の接触が伴う経済活動、スポーツ活動は大きく制限されることとなってしまいました。
現在日本国内における爆発的な感染拡大は国民の自粛によって抑えられています。
人との接触機会を減らす自粛生活において、身体活動やスポーツが人の健康に与える影響を私たちは実感できるようになったと思います。

スポーツは人を豊かにし、活力を与えるものです。
この自粛や接触が制限される状況は決して望まれたものではありません。しかし、この時期は私たちがスポーツの本質や価値に向き合える良い機会であったと捉えるべきです。
まだまだ以前のような自由な経済活動やスポーツ活動は戻ってきません。

今こそ、スポーツ医科学を学び研究する私たちが、新しいスポーツの価値、新しいスポーツの実践の仕方を考え、発信し、実践するべきです。
状況を嘆くだけでは、何も変わりません。私たち一人一人が自ら動くことによって世界が変わります。
私たちができることを日々積み重ねましょう。本学の「不断前進」の理念のもとに。

2020年7月3日
水泳部 監督
武田 剛

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