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2021.12.28
体操も勉強も。橋本大輝選手が話す「順大での学生生活」とは?
今年夏、東京オリンピック体操競技で男子個人総合・種目別鉄棒で金メダル、団体で銀メダルを獲得した橋本大輝選手(スポーツ健康科学部2年)。世界の頂点に立つアスリートであり、本学の学生でもある橋本選手に、所属する体操競技部やさくらキャンパスでの学生生活について話を聞きました。
進学のきっかけは日本代表の合宿
順天堂大学に進学したのは、高校3年生で初めて世界選手権の代表に選ばれ、順大の卒業生である萱和磨選手、谷川航選手、在校生の谷川翔選手と代表合宿で一緒になったことが大きなきっかけでした。学内には、体操競技部の原田睦巳先生や冨田洋之先生をはじめ、オリンピックを経験した先生方もいらっしゃいます。体操競技をはじめ、これからの日本代表を引っぱる選手を多く育てている順大は、自分の成長にとても良い環境だと思いましたし、トップレベルの人たちと切磋琢磨して競技力を上げたいと考え、進学を決めました。
僕は、「体操を楽しむこと」を一番大事にしています。体操に没頭している時間は本当に幸せで楽しい時間です。そして「体操を楽しむこと」が結果を出す一番の秘訣だと思っています。その点で、体操を楽しいと思いながら練習することができる順大の体操競技部は、僕にとって最適な環境です。
自由と自主性が体操競技部の強み
体操競技部は、上下関係をまったく感じないフラットな部です。部全体に先輩後輩の壁があまりなく、僕だけでなく、どの部員にとっても自由に話しやすい雰囲気だと思います。その雰囲気が生まれるのは、部全体が選手ひとりひとりの自主性を尊重しているからかもしれません。
毎日の練習では、どの種目をどのタイミングで練習するかなど、さまざまなことが選手個人に任されています。先生方も、選手が行き詰まっていればそれを察して指導してくださいますが、基本的には選手ひとりひとりの感覚や自主性を鍛えることを大切にしています。選手は、何か課題が見つかっても、すぐに監督やコーチにたずねるのではなく、まず自分で工夫してやってみて、それでも解決できない時に自ら先生方や先輩に相談して、レベルアップを図っていきます。うまくなる方法を自ら発見して成長する力を養い、自立した選手を育てているところに、順大体操競技部の強みがあるのだと思っています。
授業の空き時間にしっかり勉強、日曜は完全オフ
順大は競技と学業の両立を重視していますし、僕自身もしっかり勉強に取り組むことが競技力の向上に繋がると考えています。授業では、学問的な知識だけでなく、競技力向上に活かせる実践的な知識も学べます。これまでの2年間で印象深いのは「体力トレーニング論」の授業です。トレーニングに関係する体の構造や機能、トレーニング法の原理・原則や実施方法などを学ぶ科目で、講義を通じて体操以外の競技で行われるトレーニングについても知ることができました。中でも、陸上競技の反発力を鍛えるトレーニングは、体操の床の練習に活かせるかもしれないと感じ、実際に取り組んでいます。
ほかにも「運動生理学」の授業を通して、今は運動やトレーニングによって生じる体の変化についても理解を深めています。競技に取り組むうえで、身体の構造や機能をしっかり理解することは大切なはず。スポーツにサイエンスを加えるという“スポ健ならではの学び”を、これからどんどん競技に活かしたいと思っています。また、授業では、バスケットボール部や陸上競技部など、ほかの競技に取り組む同級生とも仲良くなりました。合宿や大会で出席できなかった講義の内容を教えてもらったり、課題で分からないところを教え合ったり、競技以外の話をすることの方が多いですね。
勉強は、平日の授業の空き時間を使って集中的に取り組むようにしています。僕は忘れっぽいところがあるので、課題が出たら早めに終わらせることにしていて、今のところ提出期限に遅れたことはないです! 練習が休みの日曜は、体操と勉強から完全に離れて、祖父母の家に顔を出したり、ゲームをしたり、長めに寝たり、普段できないことをしてリラックスしています。
スポーツと勉強、両方大事
スポーツと科学や医学を結びつけるスポーツ健康科学部の学びは、ほかの大学ではなかなか得られないものだと思います。また、オリンピックをはじめ国際舞台での競技経験を持つ先生方の授業が受けられる機会も多く、授業の内容はもちろん、アスリートとしての考え方などさまざまな学びを得ることができています。
僕は教職課程も取っているのですが、実際に教員を目指す学生も多いので刺激になっています。僕にとって順大は、スポーツと勉強のどちらも大事にしながら過ごせる場所。学生生活を送るうえで理想的な環境だと思っています。