MEDICAL

2022.02.18

まだ続く寒さで、高齢者に注意が必要な"ヒートショック"とは? 大きな温度差がリスクに。

急激な温度変化で、血圧が大きく変動することによって引き起こされる"ヒートショック"。65歳以上で生じるケースが大半を占めるため、高齢者は特に注意が必要です。冬場に多発するヒートショックについて、浦安病院循環器内科の宮﨑哲朗准教授に聞きました。

ヒートショックとは?

家の中と屋外や、部屋と部屋の間の温度差によって急激な血圧の変化が起こり、脳卒中や心筋梗塞を引き起こすことを『ヒートショック』と言います。

冬場に特に多く、年間 15,000 人の人がヒートショックで亡くなっていると予想されています。家の中では、特に浴室や脱衣所、トイレなどで起こることが多いと報告されています。

どうして温度差で血圧が上下するの?

人間には気温に左右されずに体温を適正に維持する機能が備わっています。寒い時には末梢(手足の)血管が収縮して熱を逃さないように、暑い時には末梢(手足の)血管が広がり熱を放出するように働きます。
血液の量が変わらないのに、血管が急激に収縮したり拡張したりするので、血圧が上下するのです。

どうしたらヒートショックを防げるの?

ヒートショックを防ぐには急激な温度変化を避けることが大切です。高齢者では、浴室やトイレの寒さに寛容であるとされており、特に注意が必要です。

適切な室温については様々な報告がありますが、少なくとも浴室、脱衣所、トイレの温度を17度以上に保つことを意識してください。また、湯温を41度以下にして収縮期血圧(上の血圧)の変化を10mmH以内にすることを心がけましょう。

※本記事は「順天堂大学浦安病院ニュースNo.47」(2022年1月1日発行)の記事をもとに再構成したものです。記事の内容は掲載時点のものであり、最新の情報とは異なる場合があります。
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